2009年12月25日(金) 静岡県伊豆市「特別養護老人ホーム中伊豆」にて

今回訪問させていただいたのは、静岡県伊豆市。
伊豆半島の中心・中伊豆に位置する施設「特別養護老人ホーム中伊豆」さん。

周囲は自然に囲まれ、紅葉も終わった木々や山々が伺えます。
そんなのどかな田園風景の中に特別養護老人ホーム中伊豆さん(以後「特養中伊豆」)がありました。

今日は特養中伊豆さんのクリスマス会があるのだそうです。
その中で、「ハンドベル」の演奏をボランティアの方がされるということでお誘いいただきました。

ハンドベルは私は見たことがなかったのですが、これまで聞いた話では、
手で持てるサイズの鐘になっており、一本一本に音階がある楽器。
つまり一人で2音までしか出せないので、何人かで演奏するのだそうです。

一体どんな楽器なのでしょうか?
淡い期待を寄せながら特養中伊豆さんに向かいました。

ちょうど会の始まりは午後2:00頃。
早めに着いた私たちはスタッフの方々の案内でデイルームへ。

すでに利用者さんが20人近く集まっています。
スタッフの方々と体操をしたり、バルーンで遊んだりしていました。

ボランティアの方の到着が遅れているそうで、
カラオケなどしながらデイルームは賑わっていました。

今日、こちらでハンドベルを披露されるのは「生きがい友の会」の皆さん。
この地域で様々なジャンルの趣味をしながら、地域での活動をされています。

今日もクリスマス時期ということで、4件も施設を回られたとのこと。
この特養中伊豆さんでの演奏が最後ということです。

「生きがい友の会」の皆さんがいよいよ到着。
皆さん鮮やかな赤の衣装で登場され、壮観。


並べられたテーブルに深緑のクロスをかけ、スタンバイします。
女性12名、指揮の男性1名が今回のメンバー。

今回の曲のラインナップは以下の通り。
1.ジングルベル
2.四季の歌
3.ウィンターワンダーランド
4.ふるさと
5.富士山
6.荒城の月
7.きよしこの夜
(アンコール)
生きがい友の会の皆さんの指揮を取るのが、
ハンドベル教室を運営されている大石先生。

ご夫婦で活動され、講習会、コンサートも行っておられます。
もちろん奥さんもハンドベル奏者として参加されます。
http://bellstage.xrex.org/

大石さんからハンドベルについての説明が終わり、
いよいよ一曲目の『ジングルベル』。

指揮に合わせ、メンバーが両手に持ったハンドベルを鳴らします。
鐘の音が静かな空間に心地よく響き、幻想的な雰囲気を作り出します。


低音、高音、様々な音階が重なり、
ジングルベルの豊かなメロディーを奏でます。

目をつぶると、自分が教会にいるかのような気持ちになり、
また、自分が大きなオルゴールの中にいるかのようにも感じました。

『四季の歌』も2番まで演奏。
利用者さんも雰囲気に浸るかのように静かに聞いています。

続いて、大石ご夫妻がなんと二人でのハンドベル演奏。
『ウインターワンダーランド』を披露されるとのこと。

20本近くあるハンドベルを、二人で持ちかえながら演奏。
複雑な演奏も素早い手つきで鮮やかにこなします。


大石夫妻のステージが続きます。
続いて奥さんがアコーディオンを伴奏しながらの歌。


『ふるさと』『富士山』を会場全員で歌います。
大石先生が歌をナビゲートしながらの合唱。

歌詞を先に言ってくれるので、利用者さんも安心して歌っていました。
中には手拍子で乗ってくれる利用者さんもいました。

再度、「生きがい友の会」のメンバーが登場しました。
いよいよ演奏会も終盤です。

『荒城の月』は、これまでと打って変わった雰囲気。
鐘の音がもの寂しさを演出し、心に沁み入ります。


g いろんなリズムがあって複雑な曲ですが、
大石先生の指揮の元、息ぴったりでのアンサンブル。

最後の『きよしこの夜』では、再び教会の雰囲気へ。
上質な雰囲気に身を委ね、心地よい時間を過ごせました。

終了後、アンコールで『ひいらぎかざろう』を演奏。
これがその年最後の演奏ということもあり、一同の真剣さが伝わります。

曲を口ずさむ利用者さん、手でリズムを取る利用者さん。
すっかりこの雰囲気に溶け込んだ気がしました。

全ての演奏が終了しました。
素晴らしい演奏に一同拍手で見送ります。

初めてのハンドベルの演奏に私は感動しました。
思っていたよりも複雑で豊かな演奏でした。

このハンドベルの良さを広めたい、という大石ご夫妻。
いろんな趣味にチャレンジし、楽しみを提供してくれる「生きがい友の会」の皆さん。

こういった方々に出会えたことに感謝しました。

また、特養中伊豆のスタッフの皆さんの心づくしのおもてなしにも感激しました。
取材に来た我々に快く応じていただき、椅子まで用意してくれました。

今後も活動を続けていきたいと思います。

「生きがい友の会」の皆さん、お疲れ様でした。
特養中伊豆の皆さん、どうもありがとうございました。