感動の渦の中、終了した童謡コンサート。

『この感動を全ての方に提供できないのか』
僕はその思いを旨に、日々の仕事に戻った。

全ての方に童謡コンサートができたら、、
そうは思うが、実際にはお金がかかる。
施設側も毎度投資するわけにはいかないし、
我が社が負担するわけにもいかない。

「どうしたら良いのだろう、、」
いつもどおり、福祉施設さんに営業周りをしていた。

浜松市のとある老人ホームにお邪魔した時のこと。
なんか、いつもよりデイルームが賑やかだった。

「今日は何かやってるんですか?」
施設の方に聞いてみる。

「今日は、大正琴のボランティアの方が来てるんですよ。」
パーティションの向こうを除いてみると、
何やら和装の男性女性が演奏をしているようだ。

「ボランティア、ですか?」
「そうです。年に数回演奏しに来てくれるんです。
 利用者様に馴染みの曲をやってくれるので、喜ばれるんですよ。」

演奏のボランティアがいるのか。
話によると、手品やら弾き語りやら、いろんなボランティアがいるらしい。

知らなかった。
と、同時に、そのボランティアの存在に大変な興味を持ったのだった。